「最後の晩餐」修復完成
2017/12/02
先日お伝えしましたが、
母がオルガンを弾いていたことから
十数年前に某キリスト教会に寄贈した「最後の晩餐」
その教会が改築するということで修復を頼まれ作業していたのですが
先日完成しました。
牛革にスーベルカッターでカービングをし、その周りを刻印で叩きます。
陰影を出すため様々な刻印やフィギィアモデラーなども使用します。
その後染色し、カラーラッカー(黒)を使用して真っ黒に塗りつぶしてからシンナーを含んだ布で拭き取ります。
拭き取ると凹んでいるところが濃くなり、輪郭がはっきりしてきます。
このような技法を使って製作した作品です。
修復前
十数年飾っていただいていたためすっかり色が落ちてしまっています。
修復後
革が黒く焼けてしまうと、明るい色の染料で仕上げられないので、顔料(不透明色)で仕上げました。
重厚感を出すために背景はそのままにしています。
再びキリスト教会に飾られ、
天国の母も喜んでいることと思います。
キリスト教会の方々には折に触れたくさんお世話になりました。
その感謝の気持ちを込めて寄贈した「最後の晩餐」
この「最後の晩餐」を見た方々が
母のオルガンの音色を思い出してくれると嬉しいです。